革靴は日本の環境に合わない
戦後は日本でも靴が一般的になりましたが、それまでは草鞋、草履、下駄などで歩いていました。 昔の写真や絵を見ても明らかですね。
日本の履き物の共通点の1つが、露出。 つま先やかかとは外に出ています。 汚れやすいだろうし、ケガもしやすそうです。 それでも草鞋や草履のような履き物を選んだ理由があります。
それは日本は湿度が高いから。 革靴などでは湿気によって蒸れます。そのためバイ菌が繁殖しやすくなるわけですね。 特に夏場なら、肌着でも汗ばんでいると雑菌でくさくなるのと同じです。
革靴より日本の履き物を選択した理由は、知識というよりも実体験による賢い知恵だったわけです。
日本人は靴を脱ぐ
湿度の影響は、生活習慣そのものも作ります。 湿度の低い国では、靴を履いたままで生活します。 でも日本では室内で靴を脱ぎますよね。
湿度が高いので体に密着させていると、バイ菌が増えやすいからですね。 日本人が革靴を履いていると水虫になりやすいのもこれが理由です。
板前さんなども足が臭く水虫になりやすいのも、湿気の多い調理場だったり通気性のない長靴を履いているから。 これらは職業なのでしかたないですけどね。
きれい好きな日本人だからこそ、革靴ではなく通気性のよい履き物で清潔を保っていたわけですね。
環境が靴のデザインを決める
靴でも良いデザインというのは、必ず最後に決まります。 外見ではなくしっかりとした理由があるってことですね。 新幹線や飛行機の形だって、かっこよさを求めたわけじゃなく、機能を追求したから美しいわけです。
逆に、靴には靴紐が必須ですよね。 長時間にわたって履くためにはしっかりと足に靴を固定する必要があります。 だから靴紐があるわけです。
なので革靴の場合は、脱ぐ場合も拍場合も必ず靴紐をほどいたり結んだりするわけです。 それが靴の正しい使い方だからですね。
日本だと、スリッパに書き換える場所とか居酒屋の座敷とかで面倒ですよね。 でもこれこそが、そもそもの文化が違う道具を使っているのですから、手間が増えるのは当たり前なんですね。
どんなに良い靴を履いていても、正しい使い方で利用しなければ良い物を使ってももったいないことになってしまいます。
気をつけたいのが、面倒なので革靴なのに靴紐をほどかずに履いたり脱いだりしてしまうこと。 靴を脱ぐときはひもをほどく。 履くときは靴べらを使ってひもを結ぶ。
でもこの履き方が普通だったりするんですよね・・・ 道具の使い方を知らない。 靴文化がないので教えてくれる人もいない。今後の日本での課題でしょうね。 ちゃんと履かないと、おじさん怒っちゃうよ。